こんにちは。たんさんです。

前回、位置指定道路ってどんなものか、その要件、活用のための見解などについて記しました。

ただ、あくまで私道であること、持ち分の問題など、どのようなトラブルがあるのか?どんな点に注意したら良いのか?もう少し考えてみたいと思いました。

 

位置指定道路のトラブルって何のこと?

位置指定道路では、『私道の廃止、又は変更の制限』や『通行の権利』といった法律上の取り決めがあります。しかし、それでも所有者や共有者、利用している者により、見解の相違、意見の対立といった事情が生じて、問題が起こる場合があります。

これら問題についても話し合いで解決すればよいのですが、そういったケースばかりでもなく、自動車の通行を許可してもらえない(工事用車両が入れません)、ガスや水道などの埋設を許可してもらえない(建物が立ちません)など、トラブルと言えるようなケースに至ってしまう場合があります。

トラブル事例(利用に関する問題)

では、実際にどのようなトラブルがあるのか見ていきましょう。

車両を通行させてもらえないケース

行政から道路位置の指定を受けていても、どんな車が通っても良い、誰が通っても良いというわけではありません。建築基準法上、道路所有者・共有者による取り決めで、自動車の通行を制限することも許されます。こういった場合は、道路所有者・共有者と、利用者との間でトラブルになるケースがあります。

路上駐車などの迷惑行為

公道でも路上駐車はしばしば問題となります。ましてや位置指定道路では、私道であるがゆえに安易に駐車をしてしまうことが良くあります。一時的な駐車であればまだ良いのですが、位置指定道路は行きどまりになっているケースも多く、他の人の迷惑にはならないだろうと恒常的に駐車しているケースも良く見られます。一方で、一定の公共性があるからこその道路指定でもありますので、本来は道路として使用するのが道理です。こういった両者の見方の相違からトラブルに発展するケースも多々あるのが実情です。

営業利用などのケース

位置指定道路などの近辺でお店などを営業している場合です。たとえば商店街などで、ちょっと軒先まで商品を広げて営業していることなどは良くあり、一見、平和な日常の風景に見えます。ただし、社会通念上限度を超えた使用になってくると、自動車の通行を妨げたり、他の私道所有者に損害を与えるなど、迷惑行為に発展するケースもあります。

所有者が単独の場合

本来、位置指定道路は法律上一定の権利が認められていますが、私有地である事実も存在します。とくに地主などが単独で所有している場合など、道路利用者の要望を受け付けない、法外な対価を求める、などのケースもあります。

 

トラブル事例(工事に関する問題)

水道やガス管などを引くためには、道路を採掘して施設を埋設する工事が必要です。

しかし、ライフラインを引きたい利用者に共有持ち分が無いケースなどでは、所有者に承諾をしないケースや、承諾のための対価を求められるケースがあります。

承諾しない理由に正当性がある場合、対価が妥当なものであれば良いですが、なかには足許を見て、法外な対価を請求するケースもあるようです。

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トラブル事例(管理に関する問題)

道路であるからには通行に支障がでないように、適切な管理をしなければなりません。

あまりに凸凹であったりすると危険ですし、最低限の清掃・補修は必要ですからね。

所有者が単独の場合には、管理を怠っているケース。所有者が複数もしくは共有の場合には、これに加えて所有者間の費用負担の問題が生じます。

不動産投資における考察(まとめ)

さて、ここまで発生しうるトラブルについて見てきました。

では不動産投資を行ううえで、どのような点に気を付けたら良いのでしょうか?

発生したトラブルは解決へ向けて動かざるを得ないのはいうまでもありませんが、やはり、トラブルは未然に防いでおく必要があります。

現地調査

そのためには、土地購入時、もしくは既存アパートマンションの購入時に、不動産業者に確認するのみならず、良く現地調査をしておくことです。

例えば、植木や倉庫などがやたらと道路に出ていないか、だれか住人の敷地のような使い方がされていないか、道路に面する家が軒並み車庫がないなどの違和感がないか確認しましょう。

周辺聞き込みを行ってみると、実は私道所有者が通行承諾をしない、共有者で車両通行しない取決めがあるなど、案外トラブルの予見が出来ることがあります。

承諾書(第三者継承)

トラブル発生の解消方法は、私道所有者から承諾書を取得することです。

そして承諾書の注意点は、『第三者継承』を必ず記載しておくことです。

すでに承諾書がある場合でも、この『第三者継承』が記載されているか、必ず確認することが重要です。

でないと、あなたに所有が移った途端に通行が制限されてしまうことになるかもしれません。