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    Categories: 不動産投資、アパート新築の知識集

2項道路?その問題点。アパート新築、不動産投資の知識〈設計編⑤〉

こんにちは。たんさんです。

今回は土地探しをしていて仲間内で話題になったもの(言葉)について整理したいと思います。

それは、私道の中でも、いわゆる『2項道路』についてです。

2項道路とは?

建築基準法第42条第2項の規定によって、建築基準法上の道路とみなされる道を、『2項道路(にこうどうろ)』と呼びます。ときに『みなし道路』などと呼ばれることもあります。

建築基準法が施行された昭和25年に、建物が建ち並んでいる幅員4メートル未満の道路で特定行政庁(つまりお役所)が指定した道路です。

現在は、幅員4M以上の道路に面していないと建築許可がおりません。

しかし、建築基準法の施行時に、全ての道路は4m以上の道路に面していることを条件にしてしまうと、既存の住宅地などが成り立たないため、将来の建て替え時にセットバックすることを条件に、道路として認めることとしたものです。

セットバックとは?

前述のように、本来4M必要なのに、4mなくとも道路として認めてあげています。

ただ、その条件が「将来の建て替え時に土地の一部を道路に供出する」必要があるというわけです。

その分のことを『セットバック部分』と呼びます。

新築時にはセットバックの分、土地は狭くなってしまいますが、不適合接道となり、新築出来ないよりはましというわけです。

なお、広告等で、土地の場合にはセットバックが必要な場合は、セットバックの有無が明記されていると思います。

ただ、先日もあったのですが、土地探しで『古家あり土地』の場合、土地としてではなく、土地付き建物として売っているせいか、忘れただけなのか、『セットバック』の表示がありませんでした。

このような場合でも、あくまで広告レベルの記載として無かっただけで、重要事項説明書等に記載されるでしょうが、検討に無駄な時間を費やしたくはありません。

セットバックの有無、よく確認する必要がありそうですね。

ちなみに2項道路の中心線(赤点線)、つまりセットバックするために基準になる線は、必ずしも現況道路の中心という訳ではありませんので、注意が必要です。

2項道路の中心線は、お役所、つまり公道なら道路を管理する部署(道路管理課など)で確認が必要です。

また、私道の場合でも中心線を私道の所有者などが勝手に決めるわけでなく、やはりお役所、建築指導を担当する部署(建築指導課・建築調査係など)での確認が必要です。

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2項道路の建築上の問題点

前述のように、2項道路だから建築不可といった話はありません。

2項道路は、建築基準法で認められた立派な道路です。

ただ、もちろん幅員の狭い道路でもありますので、そのための制約はいろいろと発生します。

そもそも自動車が入れないような狭い道路も多くありますし、普通自動車が進入できたとしても、トラックやミキサー車がかなり小型のものしか入れない、それによって建築コストが上がることは良くなりますからね。

また、前面道路が狭いことにより、容積率が制限を受けることもよくあります。

2項道路は永久に「みなし道路」?

もちろん、2項道路のセットバック部分(道路中心線から2mの後退した線より道路側)にある以前からの建築物でも、すぐに撤去や移転を迫られるわけではありません。

しかし、改築や増築などの工事の際には、道路部分の建物の撤去を含めた計画をしないと建築許可は得られません。

そう、いつかは、周囲の建物が老朽化して、建て替えが進めばいつからは道路は広くなるはずなのです。

法の意図もいつかは広い道路に、といったところにあったと思います。

 

しかし、こんなケースがあります。

道路沿いの住宅が建て替えられても、一向に道路が広がらない、車も通れない狭い幅員の道のままなのです。

住宅が建て替えられているのに、、、です。

この場合、(建物は新築ぽいですが、)あくまでリフォームといったイメージで建築確認をとらず、既存の敷地のままやってしまう人が居ることによるようです。

そして、このケースでは、建物は見た目新築なのに、道路沿いのボロイ壁をそのままにしているケースが多いです。

壁を壊すと新築と見られるからです。

そんなことを繰り返していると、2項道路は永久に狭いまま・・・・・になってしまいます。

smyk: